今回は農家の悩みについて

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農業パーソナルトレーナーの山下です。

今回は農家の悩みについて

私も30年近く農業をやってきましたが、良かった事ばかりではありません。

むしろきつかったことの方が多かったような気がします。

 

私の場合は、「きつい」って言うと、まずは体力的でしたね。

私は体が小さかったので20㎏の肥料を持ち上げるのも結構きつかった。

 

トラクターのアタッチメントの取り付けの時も今では割とワンタッチで結合できますが

以前は、最後は人の手で微調整するタイプが多くて、結局は重たい鉄の塊を人力で動かすことが結構あったんです。けっこうそれもきつかった。

だから、結局は妻と二人がかりで取り付けることに・・・

つまり、機械作業は一人でできるのに、結局その前の準備に二人必要になるんです。

他にも防除するための動力噴霧器を軽トラックに積む作業。これも結構きつかった。

だって、あれってかなり重たいんですよ。

更に、防除するときは重たいホースを引きながら薬剤散布していました。

私のビニールハウスは100mありましたからかなり腰と足に不可がかかっていました。

よく、指導員の方が

薬剤散布とか葉面散布とかやったほうがいいですね。なんて簡単に言うけど

「ばかやろう!ホース引くのって大変なんだぞ」っていつも心の中では思っていました。

じゃ、薬剤散布で楽をするにはどうすればいいのか、

それはホースを引くのをもう一人の人に手伝ってもらうとよいのです。

簡単ですよね。これってどこの農家さんもやっています。

でも、これって意外と効率が悪い。だって二人作業になるからです。

もしこの作業が一人で出来てもう一人は違う生産性のある仕事ができたら・・・

この防除ひとつにとっても、アタッチメントの取り付けひとつにとっても

一人でできるのと二人必要なのでは生産性が全く違います。

私は、いつも妻は他の仕事をして、安定的な所得を得ていれば我が家の経営は

「安定するのになぁ」って考えていました。

つまり、妻は妻で生産性のある仕事をして、私は私で生産性のある仕事をするには

どうすればよいかっていつも考えていました。

つまり、私の場合は「体力的にきつい」より、どうしたら一人で生産性をあげることができるか?の方が最大の悩みでした。

当時、私は

妻と二人でしたから二人分の給料を稼ぎ出さなければならないって思っていたのですが、

農業は所得が不確定な職業で、良い時もあれば悪い時もある不確定要素を多く含むハイリスクハイリターンのビジネスだって割り切っていました。

ですから、いつもどうやって経営を安定させようかばかり考えていました。

ところが、最近では、機械も進化し、一人でアタッチメントが取り付けられたり、ブームスプレイヤーなど乗用薬散機やドローンなんかで防除できたりして、人件費を削減し、生産性を上げることができる夢のような時代になってきました。

これにより、かなり省力化が出来るのです。つまり一人でできるようになったり、一人当たりの作業性、生産性があがってきたのです。

しかし、これらを導入すれば、当然農機具の支払いなどの支出も増えてきます。そうなると更に売上を上げなければならない。

そして、その為には規模を拡大せざるを得ない。

といった具合に経営を安定させるどころか、事業拡張による過剰投資スパイラルに入り込んでしまう可能性があります。

つまり、農業は一人当たりの生産性を高めて安定性を図ろうとすると規模を拡張し、売り上げを上げていかなければ成り立たないようになっているのです。

この現象は今始まったわけではなく、昔からその道をたどってきています。

例えば、

私の祖父(大正生まれ)のころは3桁農業って言って、どうすれば100万売り上げるかの時代だったそうです。

私の父(S16年生まれ)のころはいかに1000万売り上げるかの時代だったようです。

そして今、私の時代はいかに1億売り上げるかの時代になました。

そして次世代はいかに10億売るかの時代に必ずなります。

このように、いかなる時代でも効率化、合理化、省力化の方へ時代は流れ、生産性が高まることを人々は求めていくのです。

そして我々農業者はその時々の変化に対応していくしかない・・・

つまり、「農家の本当の悩み」とは

“一人当たりの生産性を高めるその時々の時代に対応していく”ということなんです。

更に付け加えると、

これができれば自分や家族の生活が安定し、これができなければ自分や家族の生活がままならない状態になるかもしれない・・・・

といった不安を抱えているのです。

では、

今、時代の変化にどうやって各農家は対応していっているのか?

大きく分けて2つあります。

ひとつは「明確ビジョンを持ち、計画を立てて実行している戦略的農家」

もう一つは「時代に流されて目の前の対応に追われているその場対応型農家」です。

ひとつ目の農家はなりたい農業、やりたい仕事、理想的な人生を

描いてそれに紐づいた農業を実践しています。

一方、二つ目の農家は

目の前の情報に振り回され、時間とお金の使い方がまるで分らず、

隣の人が新しい機械を買ったから私も買う。隣の農家が外国人技能実習生を入れたから

自分のところにも入れる。って具合に常にその場対応で、いずれはおカネが回らなくなってしまいます。

今まではこの二つの農家の差があまり出なかったのですが、

これらはこれから顕著に表れることになります。

その理由は農産物単価の高騰がなくなるからです。

これまではその場対応型農家でもたまにある農産物の高騰による“ボーナス“みたいな

売上追加でその場をしのげたりすることが出来ていました。

しかし、いずれこの「ボーナス」がなくなります。

詳しくはまた別の機会にお伝えしますが、農産物流通業者もかなり厳しい状況ですので

おそらく、高値取引を回避する手段(輸入とか)をフルに活用してくるからです。

さらにもう一つは補助金助成金です。

農業は過保護に保護されている典型的な産業です。

それも先ほどの「戦略的農家」から「その場対応型農家」まですべてが保護の対処になっていました。

しかし、そろそろその手法にも限界がきています。

つまり政策もすべての農業者を保護するよりも積極的、戦略的な農家を支援しようって

動きにシフトしてくはずです。

これは今でいう、認定農業者にあたります。

でも、認定農業者だからと言って安心してはいけません。

更に、いずれは法人化、大規模化農家が有利になる政策へとシフトしていくのではと予測されています。

実は、

このようなことは私が言うまでもなく、農家さんはこれらの事には薄々気が付いています。

だから、不安なんです。

しかし、

「何から始めて、何をやればいいのかがわからない・・・」

これが、本当の農家の悩みなんです。

わたしがこのように断言できるのは農業コンサルタントしてそう感じているからです。

私の会社、農テラスでは常時、「無料経営相談」を実施しています。

しかし、無料にもかかわらず、悩みを相談に来られる方って意外と少ないんです。

なぜだと思います?

それは農家の方々が、

「何を悩んでいるのか?」「何を相談してよいのか?」わからないんです。

ただ、やみくもにこころの奥底に不安がある。なんかスッキリしない。

もやもやする・・・

そういう方ってあなただけではないんです。他にもたくさんいらっしゃるんです。

ですから、こういう方のために

実施しているのが毎回お知らせをしている「農ビジセミナー」です。

何を悩んでいるのかわからないがなんかスッキリしない方。

悩んでいることがあるけど人には言えない方

何か今のままではダメだと思っているけど何から始めたらいいのかわからない方

などなど、

今の現状を少しでも変えたいって思っている方は農ビジセミナーにお越しください。

必ず何かしら「来てよかった」って答えがかならず見つかりますよ(^^♪

 

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