伝える力、伝わる言葉

いつもご覧いただきありがとうございます。

農業参入コンサルタントの山下弘幸(やましたひろゆき)です。

新規農業者の農業参入のサポートや、企業農業参入のサポートをやっています。

農業コンサルは9年目ですが、農業歴は31年です。

稼げる農業をテーマにした農業講演や、儲かる農業を実践するための農業セミナーなどを全国でやらせていただいております。

また、若手農業者が農業経営、マネジメント、マーケティングなどを学べる農業ビジネススクールを主催しています。

ご興味のある方は「農ビジ」もしくは「農テラス」で検索して下さい

https://notera-seminar.com   https://notera.co.jp/

さて、今回のテーマは「伝える力、伝わる言葉」

実は農村社会、私たち農家が一番苦手な分野についてです

「あれ取って」

「あれ」?って何よ?

「あれだよ」「あれ!」

「え~、どれのこと」

「なんでわかんないんだ!」「あれといったら、これのことだろ」

不機嫌な感じで目の前の新聞を手にする父

なによ!新聞取ってほしいのなら最初から

「新聞取って」って言えばいいのに・・・

って不機嫌になる母。

私からすると日常のやり取りだ。

我が家のルールでは伝える父が悪いのではなく、意図をくみ取らない母が悪いという

昔ながらの考え方が根強かった。

当然母は私が悪いって派でいつも父の「あれこれそれ」を理解するのに神経をとがらせていた。

そういう家庭で育った私も結婚当初は

私の妻にもそういう態度だった。しかし、事態は一変した。

「あなたがあれこれそれって言ってもちゃんと言ってくれなきゃわかんないじゃないの!」

当然、妻はそういうわけにはいかなかった。

「あなたが思っていることがすべて通用するって思わないで!」

正論である。

今農村社会が抱えている大きな問題として「伝えきれない大人」がある。

農村で育った私と同じような世間知らずの大人たちが全く世間の言葉とは違う

自分たちだけのローカルワードだけで生きているのだ。

この種の人々はいつも同じ道を通り、いつも同じ人と顔を合わせ、いつも同じ人としか会話をしないので意外と「あれこれそれ」で通じ合う人たちなのだ。

しかし、最近ではその農村社会に新規就農者、Uターン,Iターンの若者が入ってきた。

今どきの若者はインターネットやスマホを使いこなし情報社会で生きている。

「あれこれそれ」で通じる人々と「スマホ」で通じる若者が共存し始めたのだ。

人に伝えるって結構難しいですよね。

伝えるって相手のことを考えて話をしなければいけません。

たとえば、大人が小さな子供に対しては目線を下げて相手に寄り添って

子供にわかるように話しをしますよね。

それと同じなんです。

大人になっても、相手はすべてあなたのことを理解してくれていないから

相手にちゃんと伝わっているかなーって思いながら話をしないとダメなんです。

これって自分にも言い聞かせているんですが、

私も以前農業を始めたばかりのベンチャー企業にいたことがあったのですが、

そこには農業を知っている社員が私しかいなかったので

みんなが私にいろいろと聞いてくるんです。

肥料はどのくらいまけばよいですか?

生育が悪いのは何が原因ですか?

明日雨降りますか?

なぜ草を取らなければいけないんですか?

などなど、

農家の私にはすべて「当たり前」のようなことが

初めて農業をする社員にはわからない。

そこで丁寧にひとつづつ紐解きながら、相手がわかるように説明しなければいけなかったのです。

肥料は土壌分析に基づいてこれだけ肥料が残っているから残りはこれだけ入れましょう。とか、生育が悪いのは水はけが悪いので土の物理性を改善させましょうとか、

明日の天気は予報では雨になっていますが、今の気圧配置ではおそらく南のほうが雨で綿たちいるところはあまり影響はないでしょうとか、

草を取らないと肥料を取られてしまうので除去すべき等いことが前提ですが、この場合は費用対効果からかんがみて取る必要はないでしょう。しかし、この草は虫が付きやすい草なので時間を割いてでも取るべきです。などなど。

そうなるとまた質問が出てきます。

どうしてこの肥料でなければいかにのですか?

土の物理性を改善するにはどういう方法があるのですか?

気圧配置がどう動くかはなぜわかるのですか?

草に虫が付く理由はなんですか?

などなど・・・・私は伝えなくても通用する家族社会から

伝えなければいけない組織社会へ行ったおかげで以前に比べると

幾分か伝えるのがうまくなったかもしれない。

最近はSNSで誰でも簡単に情報を配信できる時代になりました。

そして伝えることがうまい人はそれだけで仕事になってたりします。

例えばブロガー、ユーチューバ―がそうです。

伝えることで共感する人が増えフォロワー数が伸び、そこにスポンサーが広告を出すという仕組みです。

つまり、伝えることがビジネスに直結する時代になったのです。

今からの農業もダイレクトマーケティングの時代が来ます。

直接お客様に自分の商品を買っていただく時代です。

このマーケティング手法に不可欠なのが「伝える力」です。

よりによって、農村社会にいる人々が一番苦手な「伝える力」が

これから農村社会に一番大事な「スキル」になるとは・・・

皮肉なものです。

一方で、農村社会に後から入ってきた新規農業者や農業参入企業にとっては

もってこいの時代到来です。

なぜならば社会常識として「伝える力」をフツーに持っているから。

現に、最高の農産物を作らなくとじゃんじゃん売って売り上げを伸ばしている

農業経営者がたくさんいらっしゃますよね。

その農家さんて、そんなにとびっきりの農産物を作っているわけではないのに

どうしてそんなに売り上げを伸ばしているんでしょうか?

それはちゃんと情報がお客様に「伝わっている」からなんです。

今回は「伝える力」についてお話させていただきました。

この内容があなたに伝わっているか疑問ですが、2020年からの農業のキーワードは

「伝える力、伝わる言葉」です。

農業で成功するには「伝える力」を磨きましょう

農業で幸せになるには「伝わる言葉」を使いましょう

これからの農業は明るくなります。

そして今年も農テラスは農業界を明るく照らします。

最後までご覧いただきありがとうございました。


印刷